文字サイズ
トップページ > まちみらい千代田 > スタッフブログ > 『モバイル最前線』 > vol.71 (番外編)実況中継ライブラリ・オブ・ザ・イヤー選考会

vol.71 (番外編)実況中継ライブラリ・オブ・ザ・イヤー選考会

2008年12月24日

年末恒例のヒット商品番付が発表されました。日経MJ発表の番付では、東の横綱が「ユニクロ・H&M」、西の横綱は「セブンプレミアム・トップバリュ」。一方、SMBCコンサルティングが発表した番付では、東西の横綱は「該当なし」の結果でした。

今回は、11月26日に開催されたライブラリ・オブ・ザ・イヤーの大賞選考会を取り上げます。千代田区代表という訳でもありませんが、千代田図書館がエントリーされていました。
結果はいかに!!??

■優秀賞に選ばれた4機関・サービスが最終プレゼンテーション

今年で3回目を迎えるこのライブラリ・オブ・ザ・イヤーは、NPO法人知的資源イニシアチブ(IRI)の活動の一環として開催されているもので、図書館をはじめ幅広い知的情報資源の機関を対象にしています。

選考基準としては、
・今後の公共図書館等のあり方を示唆する先進的な活動を行っている。
・公共図書館に限らず、公開された図書館的活動をしている機関、団体、活動を対象とする。
・最近の1~3年間程度の活動を評価対象期間とする。

一昨年は、鳥取県立図書館。昨年、滋賀県の愛荘町立愛知川図書館が、ライブラリ・オブ・ザ・イヤーの大賞に選ばれています。ちなみに、知的資源イニシアチブ(IRI)は、2001年に発足した任意団体(知的サービス研究会)が発展し2003年にNPO化した団体です。

今年は50館がノミネートされ、一次選考を13館が通過しました。恵庭市立図書館、長崎市立図書館、講談社の全国訪問おはなし隊、ジュンク堂池袋本店、Hot.Docs、国立国会図書館のテーマ別検索、アジア歴史資料館などです。図書館だけでなく選考している点は面白いです。一次選考に残ったのは、13館ではなく13プロジェクトといった方が正しいかもしれません。この13プロジェクトの中から、最終的に4プロジェクトが残りました。選考会当日は、IRIのメンバーが推薦理由をプレゼンテーションし、その後、メンバー同士のディスカッション、会場投票、審査員投票を経て、最優秀賞が決まるといった運びです。

残った4プロジェクトは、

・恵庭市立図書館
 http://www.city.eniwa.hokkaido.jp/www/genre/
 0000000000000/1201850892860/index.html

・旅する絵本カーニバル
 http://www.kodomo-project.org/
・ジュンク堂書店池袋本店
 http://www.junkudo.co.jp/
・千代田図書館
 http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/

■行政・草の根・企業・コミュニティ連携、四者四様のプレゼンテーション

最初は「恵庭市立図書館」。
元図書館長だった現市長のイニシアチブが大きな役割を果たしているようですが、2001年から「ブックスタート」を開始、読み聞かせの会の開催や図書購入費の増額、そして寄付があった場合に市が同額を補正予算化するマッチングギフトの枠組みが特徴的です。行政の貢献度が高いプロジェクトのように思えました。

2番目は「旅する絵本カーニバル」。
兵庫県篠山市にあるチルドレンミュージアムを手掛けられた目黒実さんが、九州大学に移られたのを機に、九州大学のアウトリーチ活動として行われているプロジェクトです。アウトリーチとは、福祉や医療関係から出てきたサービスで、交通の不便な地域でサービス利用者に出向くサービスとのことです。「市民がつくるどこでも図書館」といった表現が正しいかもしれませんが、絵本を飾り、舞台を整えることによって、老若男女の交流の場をつくるプロジェクトです。草の根的な活動であり、ハードではなくソフトに重点を置いたプロジェクトでした。

3番目は「ジュンク堂書店」。
「図書館より、もっと図書館」を標榜していて、各フロア担当者の専門性が、意識的に育成されている点が最も評価されていました。企画・仕入れ・配架・案内を一貫して行い、原則異動なしという仕組みがその専門性を支えているとのこと。公的サービスとしてのライブラリー機能を民間企業が担っているという面白い事例だと思います。

最後に本命!?「千代田図書館」。
22時まであいている図書館、コンシェルジュサービスによる総合案内など、いろいろと初ものを含めて評価されている千代田図書館ですが、プレゼンテーションの中では、コミュニティとの戦略的連携を重視している点が評価されていました。
貸し借り偏重でなく、都心滞在型、情報発信、意識変革を起こす場としての図書館の今後のありようを提示している点も協調されていました。館内案内が1万3602件、街案内は841件を実施したとの実績もあわせて報告されました。

■大賞は本命中の本命の。。。。。

プレゼンテーション終了後の審査員のコメントでは、

  ・Webについては千代田図書館以外のプレゼンスが弱い。
  ・ジュンク堂は池袋本店での情報発信が弱いし、
  ・恵庭市のネット会議室ではWebが使いづらいという話が出ているとのこと。
  ・絵本のカーニバルは情報が分散していて、外部の人間から見ると分かりづらい。

といった意見が出ていました。

今回のブログを書くにあたって、私も各サイトをチェックしましたが、その通り。絵本のカーニバルは改善されているようですが、やはり、ネットでの情報発信は意識した方が良いと思います。

また、プロジェクトの担当者が会場に来ていて、コメントされていましたが、ジュンク堂さんの、
  金儲けをやりたいなら本屋はとっくにやめている。
  本好きが集まっている。ノミネートされたことを励みに今後も店作りに励みたい。
といったコメントは秀逸でした。

そして、いよいよ発表です。
審査員5名と選考会一般参加者票2票による投票によって、1位は千代田図書館でした。(絵本カーニバルが次点。)

本命中の本命だったのかも知れませんが、個人的には、絵本のカーニバルに投票しました。ブログでビジュアルを表現できないのが残念ですが、プレゼンテーションの時に見た絵本のカーニバルの会場風景は、とても楽しく、無味乾燥な図書館然としていない空間となっていました。

千代田図書館の田中館長が受賞式で、「図書館が変わるべきでないか、これまでの図書館のサービスで良いのか?と思っている。Change(変革)の時に、物事、発達していかなくては。gをcにかえるとChance。2つめの千代田、3つ目の千代田が出てくれればと願う。」とコメントされていました。

今回のライブラリ・オブ・ザ・イヤーはめでたく、千代田図書館が大賞を受賞しましたが、来年はもっとChangeとChanceにあふれたプロジェクトが登場することを期待したいものです。