文字サイズ
トップページ > 特集 > 神田の蕎麦屋 > 浅野屋

神田の蕎麦屋

浅野屋

江戸神田蕎麦の会 浅野屋
店主 小林 伸行(こばやしのぶゆき)さん

小林さんはアートイベントをきっかけに、異業種の人と接点をもった。そのことをきっかけとして一歩外にでてもっといろんな人とやってみたい。またもっと地域にいろいろな人がかかわる活動をしていきたいと考えている。枠を越えて活躍しようとする小林さんのアイディアに思わず吸い込まれた。
 
大正15年から続く浅野屋の3代目のご主人小林伸行さん(50歳)。まずこだわりをお聞きした。「蕎麦は簡単に食べられるものでなければならない。だから、敷居を高くしないようにしている。」という。お店は気軽に来てもらい肩をはらずに食べられる、そんな雰囲気が、自慢だ。

というのも、この地域は、職人の町だった。製本屋がたくさんあり、そこに働く若い衆がよく蕎麦を食べにきていた。「若い衆にはうまいものを気取らず食べてもらいたい」そんな思いが、浅野屋の雰囲気を作った。店主が蕎麦を作り、その間に、お客が自分でちゃぶ台をだしてきて、蕎麦を食べる席をつくる。昔の浅野屋では当たり前だったようだ。 この地域の蕎麦屋では少なくなってきている出前を、浅野屋では今も行っている。昔は、製本屋で働く若い衆の寮へ100人前という出前を運んだこともあるという。今は出前の数は減っているが、それでも近隣の企業から会議への出前を頼まれたりしている。

昔からの良き雰囲気を大切にしつつも、味への追求もおこたらない。蕎麦は挽きたてを打ったものが一番うまい、つゆは若いと鼻につくからと丸くする、新しい一品の研究など、あげるときりがない。加えて、フレンチや、イタリアンなども研究しているという。「食には共通点があるから、違うように見えるかもしれないけどすごく学ぶことが多い。努力すること・研究することは当たり前だから、特に何かをしているということではないでしょう」と笑顔で語る。

今後ご主人の目指すものは「時代時代によって、求められる味がかわってくる。その時代で一番おいしい蕎麦を作っていきたい」という。「自分の体調管理は大切。体調が悪ければ味の管理も難しいからね」と。ご主人の屈託のない笑顔に、蕎麦に対する愛情を感じた。

(取材日:2006.5.2 田島亜希子  記:2006.5.19)

小林 伸行さん

小林 伸行さん

浅野屋 店内

お店の内装にもこだわっているという。ビルの1階であるが、壁は土壁でどこかなつかしい雰囲気。

「ざるそば」(600円)

「ざるそば」(600円)は量が多く、職人好みという印象。歯触りがよく、のど越しもよい。つゆは口の中でカドが立たず、蕎麦と絡まって食べやすい。最後の蕎麦湯と一緒に飲みたい。

浅野屋

■営業時間
【月~金】11:00~20:30
【土】11:00~14:00
■定休日
日曜日・祝日
■住所
千代田区猿楽町2-7-6
■電話
03-3291-4327
■交通アクセス
水道橋駅から徒歩約6分